平原にある古城
一番高い塔に閉じ込められたジェラシー
鍵をかけたのは自分なのに
その鍵を失くしたのも自分
鉄格子が並ぶ無人の廊下で
何を待っている
よく澄んだ耳に囚人たちの声をイマジネーションさせる
檻の中から叫ぶ不平不満
思いつく限りの欲望の名称を連呼する
しかし誰1人としてその牢屋から出ようとはしない
主は此処にいるからだ
ふと目線を自分の足元へ下ろすと
そこに影はなかった
ひび割れたブロックの隙間から生えた苔と
まるで他人事のように行進するムカデ
闇はこの下にある。