今日もジョギングをしていたら
雲はなかったけど多分その辺ばかりを見つけて走っていた。
降水量が多い日には貯水地になる公園は俺なんかよりもずっと早いスピードで走る女性やおじさんがいたりして
人間は皆、健康を求めているんだな
と再確認した。
冬のせいで枯れた木々はあらわになったその枝を目一杯、手を広げるように
一本の太い幹から天へと両手を掲げているように見えた。
住宅街を走るスケートボードの音。
はっはっ、とテンポ良く響く自分の息。
全て白い世界になってしまえば
どんなに楽だろうか。
そこには寿命だけを刻む時計だけがあって
あとは一面真っ白。誰もいない。
苦しみとは薬か。浄化作業が終わるのを
ただひたすら待つのが人生だとしたら
あまりに長いこの時間は
誰と何を育み、どういう形でこの世を去るのが潔いのだろうか。
必然は豊かな心にのみ時にチャンスとして現れる。
しかし寛大な心を手に入れるにはあまりに犠牲が多い。
肉体を超えて優しくなりたい。
それが俺の知る限りの最も美しい生き方だ。