暗い電車の中を
同僚たちと乗っている
本当は最寄駅で降りたいのだが
急行に乗ってしまった為
5駅先くらいで降りる
改札を出るとキャップを深めに被った
外人の女性が
いかにもカンフーの達人のような
初老の男と一緒にいる
駅前の広場
ガラの悪い東南アジア人が4、5人
カートを押して来る
取引に応じない女性と師匠
カートの中身は、ダーツを一回り大きくしたような銀の針がぎっしり詰まっていて
僕はそれを持って花壇のすみに隠れる
師匠の大きな声がする
"そのカートから出来る限り離れろ!"
その途端、銀の針たちはまるでミサイルのように
花壇の向こう側へと飛んで行った
静まり返る駅前
悪党共は全員、致命傷だけを避けて
気を失い、連行されて行った。