Jonathan chop'88のライブを
真っ暗な部屋の中で観ている。
多分、俺の部屋だ。
黒沼はレインボーカラーなボーダーのセーターを着て
いつも通りリッケンバッカーを掻き鳴らす。
その轟音は轟音が過ぎる静寂である。
歌の内容も殆ど聴こえない。
初恋の人がそれを真近で観ている。
ゆったりとステップを踏みながら
観ている。
演奏が終わると
ベランダ沿いにあるベッドにうつ伏せになって
何か物足りなさそうに
両足をバタバタさせていた。
僕は尋ねる
"今日、このあとの予定は?"
彼女は言う
"特にないわ"
と。