2012年11月19日月曜日

あの色の名前は忘れた。

君の高校時代のblogを見つけたよ。

壁紙はロッカーに向かってバレエダンサーのようなポーズを決める妖精のような格好をした君。

最後に更新された記事によれば
君は蜂蜜狩りに出かけたらしい
どこか田舎の山奥に住む麦わら帽子のおじさんが写ってた。

国道で蜂の大群に襲われてる車のイラスト。あれは手塚治虫のオマージュだったかな。

蜂はその生命と引き換えに人間を刺す。
わずか0.8gの大切な命と引き換えに
君めがけて飛んでゆく。
その痛みくらい
受け止めてあげたっていいじゃない。

僕らは体積と思想がまぜこぜになったまま暮らしている。

大切なモノほど大きくないし
物質的な量もない。

0.8gに詰まっていた夢はきっと甘い味。金色に輝く生命の味は喉の奥まで僕の意識を連れてゆく。

僕は僕自身に飲み込まれてゆく。

君が刺したんだ。その見えない針で。